アクアスクーターAS600型フルオーバーホール

 新品購入のAS600型ですが、2006年度のメンテナンスが不十分だったため全ての可動部分が塩分により固着してしまいました。
 かろうじてネジ部分は、大丈夫でしたので廃車にはなりませんでしたがシリンダー交換等かなりの高額出費が
かさみ財布は軽やかになりました。(悲
こんな事態にならない様に購入予定の人やデビュー前の人には是非見て頂きたいです。
また、こんな修理をせざる状況に迫られた人にも参考になればと思います。

タンクを外しキャブレターのエアーホースを外しました。外観とは裏腹に内部は塩の固まりです!
これが1シーズン使用後の状態です。海水は恐ろしいです。

 マニ側からです。バタフライは完全固着です。      マニからは塩の結晶が出てきました!

     マニホールドを開けます。                  ここも塩分で侵されていました!

早速ノリモノランドに電話して復活方法を教わりました。焼くか茹でるかの選択を聞き茹でる方を選びました。
100均で片手鍋を購入、分解図を広げながらバラしてゴム・パッキン関係を取り除きます。

       部品は少ないです。                        では作戦開始です。    

 ボコボコ10分・20分・30分と煮込んでいきます。CRCを吹き付け可動確認します。最初はペンチでも
動かなかったアクセルやチョークが段々と動くようになりました。最後にはバネも動きだしアクセルの戻り
もバッチリ返ってきました。元通り組み付けます。

    スターターケースを外します。                フライホイールが見えてきました。   

アクアスクーターを立ててセンターのネジを緩めます。簡単なのはここまでです。
この外側のケースがテーパー状になっており噛みこんだら専用工具がないと全く緩みません。

 バイク等弄る方ならお解りですが、フライホイール外す専用工具があります。
ただ、ネジのピッチが違うため最初の3巻き位しか噛みません。この状態でボルトを押し込めば外れるのですが、
3巻き以上レンチでねじ込んだため、ネジ山が×になり締め込んでもフライホイールが外れず逆に工具が抜け
てしまいました。
 ここで諦める訳にはいきません。再度ノリモノランドに問い合わせて今までの状況を説明すると最終手段を教えて
くれました。
 一人がフライホイールをしっかり押さえる。次にセンターのネジに保護用にナットを取り付け上からハンマーで叩く方法でした。
 本体の重さを利用した最終手段です。真似しないで下さいよ。あくまでも最終手段です!
*ちなみに下側のケースとの隙間をードライバーでグリグリやるとケース側が掛けてしまいました!
絶対差し込まないで下さい。
 叩くこと15回にしてフライホイールがずれてやっと取れました!この作業に1時間は費やしました。

その中には電装系が詰まってます。ここが浸水すると、アクアの心臓がやられたと思って下さい(怖
これも慎重に取り外します。

 ついにクランクケースにたどり着きました。これも固着しているため、バーナーで炙ります。上に見えている
プラグコードは炙らない様に!また、古いコードはついでに交換がお勧めです。

クランクケースの底に塩の結晶が山盛り出てきました。当然クランクも回りませんし、ピストンとシリンダーも固着
して動くどころか外す事も出来ません。

ひたすらバーナーで炙って塩を溶かします。ブチブチ音を立てて液体になって流れていきます。

やっとピストンとご対面です。ここまで到着するまで長かった〜。

パーツクリーナーを使ってケース内を洗浄していきます。クランクも軽く回るようになりました。

スクリュー部分には紐が巻き付いていました。これも除去。そして新品パーツに交換していきます。

ピストンピン・ピストンリング・ピストンベアリング・サーククリップ・各ガスケットです。

組み付け時に気づいたのですがシリンダー内がメッキ加工になっており、一部剥がれていました。
手で触ってもかなりの凹凸感があり、耐久性に欠けると判断、また発注する事になりました。
左が剥がれたシリンダー右が新品シリンダーです。
やっと部品が揃い組み上げ完成です。
次は、キャブレターのセッティングです。メインが1個とHとLのスクリューネジがあります。
メインはアイドリング調整になり、HとLは締め込んでから1と1/8開きます。

では、海のイルカになってきます!